第28回講演会・第29回賞味会開催報告

2022年11月9日(水) 於:ホテルメトロポリタンエドモント

第1部 「世界の食料安全保障と日本」日比絵里子氏(国連食糧農業機関 駐日連絡事務所長)
第2部 「持続可能な日本の漁業」国谷裕子氏(ジャーナリスト/FAO親善大使)、中村勝宏氏(ゴブラン会会長/FAO親善大使)

ゴブラン会総会

ゴブラン会第28回講演会、第29回賞味会に先立ち総会が行われ、長澤事務局長より2021〜2022年度の活動報告および、活動計画が報告されました。

第1部 講演会

2年ぶりに開催された講演会は、30周年の記念講演にふさわしく、2部構成の充実した内容でした。第1部では、国連食糧農業機関(FAO)駐日連絡事務所長の日比絵里子様に『世界の食料安全保障と日本』というタイトルでお話を伺いました。残念ながら当日は体調不良のためリモート講演となりましたが、参加者は真剣な眼差しでスクリーンを視聴していました。ロシア・ウクライナ紛争の影響による飢餓人口の増加、食料価格の高騰、世界中で問題になっている気候変動による異常気象、新型コロナウイルスの感染拡大による食への影響などなど、問題は数多くあり、私たち一人一人が気候変動や貧困撲滅などの根本的な問題を解決する努力を続けていく必要があるということを再認識することができました。

第2部 対談

第2部では国谷裕子様(ジャーナリスト/FAO親善大使)と中村勝宏会長との対談形式にて『持続可能な日本の漁業~千葉県勝浦のキンメ漁取材で感じたこと~』というテーマでお話を伺いました。国谷様のキンメ漁取材の経緯や持続可能な日本の漁業のお話はたいへん具体的で興味深く、どんどん惹き込まれていきます。近年、魚介類は肉類と比べて一人当たりの消費量が著しく減少し、魚介類と肉類の消費量が逆転するという状況や、漁業や農業の後継者問題など、わかりやすく今の漁業の現状をご講演いただきました。

第3部 賞味会

賞味会では、これまでのブッフェ形式ではなく着席正餐にて行われました。講演会のテーマ「食料安全保障」に関連して、“食材を工夫し、新しい今日の社会背景を鑑みた新スタイルの料理”をホテルメトロポリタンエドモントの岩崎総料理長と中村会長に考案いただきました。日本の食料自給率が38%ということで国産食材を中心としたメニューで、「北海道産有機かぼちゃのスープ」、メインは「石黒農場のホロホロ鳥の胸肉の詰め物」、デザートには「笠間産和栗のシュープリーズ」を。まさにSurpriseな驚きの演出でした。当日は約145人が参加し、久しぶりの交流や美味しい料理に、皆様の笑顔が印象に残る30周年記念の賞味会となりました。